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朝日新聞の購読申込ページ 「中日1位指名・根尾は投手か、野手か プロへ残した選択」

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朝日新聞の朝刊紙面より「25日、プロ野球ドラフト会議

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 根尾昂(あきら)は投手なのか野手なのか――。投げては最速150キロ、打っても今夏の甲子園で3本塁打でダイナミックな遊撃手の守備。25日のプロ野球ドラフト会議で4球団の1位指名を集めた才能の持ち主は、投手と野手のどちらでいきたいかという問いに「球団のスタッフ、コーチの方としっかり話をして決めたい」と明言を避けた。

 ドラフト前日には「ショートでいきたいという思いはずっとある」と話していた根尾。交渉権を獲得した中日首脳陣の考えを聞いていない段階での明言は避けた形だ。中日の与田監督は「本人が一番やりたいことが望ましい。全てにおいてレベルが高い選手なので、本人が一番いい形で力を伸ばしてあげられるような起用法になる」と、「二刀流」の可能性も残した。

 元々、根尾は投げる喜びにとりつかれて野球を始めた。小学2年生で兄と同じ野球チームに入った時から、とにかく、遠くに投げたがった。

 「川とかがあったら、そこに向かって石を投げていた。バーンって投げるのが好き。それが楽しくて」。けがを心配した周囲の大人は、「そんなに遠くまで放らんでいいぞ」と言った。「それでも、僕は投げていましたね」と笑う。

 だから、投げることに関しては、「ある程度、投げたい球が投げられる」。投球フォームも、野球を始めた頃から根本的には変えたことがない。

 一方で打つ方は試行錯誤を繰り返した高校生活だった。打ち方は毎日のように変わる。藤原恭大や中川卓也、山田健太ら、チームメートの打撃を見つめ、よりよい感覚を探す日々。「これもダメ、あれもダメ。自分の感覚を見つけたい」と話したのは、7月5日のこと。最後の夏を前にしてもそんな状態だったのだ。

 根尾が自ら感じているのと同じで、中学時代から根尾の試合を何度も見にいった大阪桐蔭西谷浩一監督も、石田寿也コーチも口をそろえる。「根尾は投手としての感覚を持っている」と。だからこそ、普段の練習であまり投げ込まなくても、試合で打者を牛耳ることができた。

 だが、それ以上に、野手としての根尾は、「この場面で打つか」と周囲をうならせるような魅力、勝負強さ、強運を持つ。

 中学3年の時、根尾の試合を何度も見に行った石田コーチが明かす。「野手としての根尾は不器用です。でも、私が見にいった8試合、すべてでホームランを打った」

 西谷監督が「スタメンを外そうかな」と思うほどに絶不調だった昨春の近畿大会決勝。8番でなんとか先発出場を果たすと、満塁本塁打を放ってしまう。「朝の練習ではまったくといっていいほどダメだったのに」と監督も苦笑いするしかなかった。

 そして、この夏も。

 投手で先発した浦和学院(南埼玉)との準々決勝。根尾は公でこそ大きいことは言わないが、石田コーチには「155キロを出す」と宣言していた。だが、あまりにも調子が良く、指にボールがかかりすぎて中指の皮がずるりとめくれたのだ。

 もちろん、エースの柿木蓮が素晴らしい投球をしたこともあるが、根尾が準決勝、決勝で投げなかったのには、そんな裏事情もあった。

 投げられないことで、「打者・根尾」の集中力は最大限に研ぎ澄まされた。そして、金足農(秋田)との決勝では吉田輝星から、バックスクリーンへ完璧な一発。この本塁打で、「野手・根尾」の評価はさらに確固たるものになったのは間違いないだろう。

 2年半、根尾を見続けてきて、遊撃の守備でも最後の半年間の進化はすさまじかった。「体のバネとか考えたら、野手。OBの森友哉(現西武)たちと比べるとまだまだ物足りないところもあるけど、スピード、バネと可能性を秘めている。どんな選手になるか、私も想像がつかない」と西谷監督。

 「投」か「打」か。その選択は、すなわち、「抜群の投球センス」と「野手としての計り知れない無限の可能性」のどちらを選ぶかという選択なのだろう。

 根尾は憧れの存在に「イチロー選手」の名を挙げる。日本球史に名を残すレジェンドだが、彼が言うと大げさには聞こえない。

 目標は「一流」ではなく、「超一流」と語った根尾。投手か野手か、はたまた両方か。どんな選択をしようと、彼を2年半、取材してきた身としては、楽しみでしかない。

朝日新聞より引用