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朝日新聞を購読申込ページ 「朝ドラ定番のヒロイン、ほど遠い鈴愛ちゃん 賛否両論」紙面抜粋

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 朝日新聞の朝刊紙面より「朝ドラ定番のヒロイン像とはほど遠い

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放送中のNHK連続テレビ小説半分、青い。」が放送終盤に突入した。今作の脚本は、1990年代のトレンディードラマを数多く手がけた「恋愛の神様」が手がけたことで話題を呼んでいるが、朝ドラに詳しいライターの田幸和歌子さん(45)は、恋愛以外の要素に着目する。

 注目は、恋愛の神様、北川悦吏子さんが脚本を担当した点ですね。1990年代に「あすなろ白書」「ロングバケーション」など民放のトレンディードラマを手がけた脚本家が朝ドラに挑んだわけですから。「律さ、将来ノーベル賞取るんやろ?(中略)雨の音がきれいに聞こえる傘。律作ってよ」(鈴愛のセリフ)。胸がキュンとするセリフがちりばめられ、近年の朝ドラにはないドキドキ感です。

 でも、私は恋愛部分よりも、描かれる時代に注目しています。バブルの余韻を引きずるキラキラした90年代を生きる若者を描いてきた彼女が、日本が失速していくその先の時代をシビアに描く。ヒロイン鈴愛ちゃんは漫画家の道に挫折し、100円ショップでアルバイト。結婚生活も順風満帆でなく……。

 ログイン前の続きしかも人に甘えっぱなしで成長しない。そんな状態で、元気のない平成をもがきながら生きている。困難を乗り越え、周囲を幸せにする朝ドラ定番のヒロイン像とはほど遠い、異色な作品です。そこに苦手意識を持つ視聴者もいるでしょうが、最後には「閉塞(へいそく)感ある時代でも、見方や発想を変えることで道が開けるんだ」という力強いメッセージを提示してくれると思っています。

 朝ドラは、放送時間帯を変えた2010年の「ゲゲゲの女房」以降、「カーネーション「あまちゃん」など何度も見たくなる作品が続いています。家事の合間などに「ながら見」するものだった時代は退き、能動的に見るものになったのです。その傾向はSNS時代に強まっている。今作でも、放送終了後に賛否両論がツイッター上で飛び交い、北川さんも参加する。史上最も能動的に見られている朝ドラですよね。

朝日新聞より引用