朝日新聞 購読キャンペーン

朝日新聞購読キャンペーン

朝日新聞を購読申込ページ 「ネット依存で不登校「変われるよ」少女は星を見て知った」

朝日新聞を公式サイトから購読申込する場合の注意事項

 

朝刊のみご希望のお客様は「配達への要望」欄に朝刊のみとご記入ください

 

申込ページでは朝夕刊セットの値段しか記載がございませんが

朝刊のみでも申込可能です。

 

ただし朝夕刊セット地域では朝刊のみ月極め料金が販売店によって異なるので

売店があいさつに来た時などご確認ください。

カタログギフトプレゼントキャンペーンで申込たい方 下記↓↓クリック

 

朝日新聞の朝刊紙面より「長野県伊那市の国立信州高遠青少年自然の家

 

f:id:vyh04236:20180718060811j:plain

子どものネット依存についての認識が広がるなか、「対策キャンプ」が注目を集めている。スマホなどの電子機器から離れ、自然の中で過ごすことで、ネットと適切な距離を保つきっかけを作ろうという試みだ。

 関東地方に住む少女(18)はこの春、東京六大学のひとつに合格した。中学生の時に不登校となり、ネット漬けの生活を送っていたが、ネット依存の対策キャンプに参加したことをきっかけに、立ち直った。

 中学3年の6月、突然めまいがして学校で倒れた。病院では「原因はストレスではないか」と言われたが、心当たりはなかった。

 同じころ、スマホを買ってもらった。初めは病気で学校を休んだが、次第にゲームやネットサーフィンで一日を過ごすように。昼夜逆転し、家族が寝ている間にご飯を食べ、明け方に再び寝る生活が続いた。学校は100日以上休んだ。

 「不登校の原因はネット」だと考えた母親(50)はスマホを取り上げたり、通信を制限したりしようとした。そのたびに抵抗した少女は「毎日混乱していて、当時のことはよく覚えていない」と振り返る。

 その年の秋、母子は長野県伊那市の国立信州高遠青少年自然の家で「ネット依存対策キャンプ」に参加した。2泊3日の日程で、スマホなどの電子機器は持ち込み禁止。ほかに2家族と、医師、不登校支援に詳しいNPO法人理事らも加わった。おそらく、日本で初めての試みだった。

 「ネットを使うことで、何が起きるのか」。子どもが参加したワークショップで少女は当初、口数が少なかった。だが、会話の中で次第に「人との付き合いが減る」「ネットの世界に集中し、周りが見えにくくなる」と話すようになった。

 午後9時半の就寝前には皆で星座を数えた。「星ってこんなにあるんだ」。少女はいつまでも夜空を見つめていた。

 高校に進学後、担任の計らいで学校近くの寮に入ることができた。通学時間が短くなり、生活リズムも改善したことで、徐々に学校に通えるようになった。スマホを使った時間を計るアプリを活用し、利用時間は1日2時間へと減らした。新しい友だちもでき、何でも話せるようになった。

 今から考えると、中学時代は「学校でも、家でもしんどかった」と話す。友だちとは表面上仲良くしていたが、本当はグループ行動が苦手だった。「しんどさを自分にも隠し、考えると不安になるから、ネットを逃げ場にしていました」

 キャンプで生活が一変したわけではない。でも、「現実世界の魅力を感じて、そこでやっていこうと考えるようになれた」と語る。今は大学で法律を学ぶ。将来は、不登校の子どもらを支援し、「変わろうと思えば、変われるよ」と伝えたい。(山田佳奈)

ログイン前の続き依存対策キャンプ、全国5カ所で

 文部科学省が委託するネット依存対策のキャンプは、NPO法人「子どもとメディア」が依存について問題提起し、韓国の対策キャンプを紹介したことなどをきっかけに、2015年度から始まった。今年度は全国5カ所で行われる。

 委託先は国立青少年教育振興機構のほか、秋田、兵庫、大分、神奈川の各県やその関連団体。これまでの参加者からは「ネットを使う時間が減った」「自己肯定感が上がった」との感想を得ているが、効果の持続や、来たがらない子どもへのアプローチが課題という。

 昨年度から始めた大分県は今年度、秋と冬にキャンプを開く。指導する大分こども療育センターの三ケ田智弘医師(児童精神科)は「電子機器から離れて自然環境に触れるのは普段と全くちがう刺激になる」と効果を話す。日ごろ、虐待やいじめを受けた子どもの心の治療に取り組む三ケ田医師によると、トラウマを抱える子どもには、ネットやゲームへの依存が見られることも多い。このため、依存の背景にあるトラウマに気付き、ケアすることが大切という。

 大分のキャンプでは、自然体験を通して、新しいことに挑戦し、日頃の生活のなかでは見えない新しい自分に気付いていく「アドベンチャーセラピー」を取り入れる。心と体を連動させて「楽しい」といった前向きな気持ちを実感していくことで、「やってみよう」という意欲を取り戻させていく。ただし、「キャンプだけでは、依存から抜け出せない。きっかけをつかんだ子どもたちを継続して支える人が必要だ」。

朝日新聞より引用