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朝日新聞の朝刊紙面より「15日、フランス4―2クロアチア ワールドカップ決勝

 

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フランスのサッカーは、エムバペがいるからこそ成り立っていた。

 

 

2―1とリードした後、自分たちが少しバタついた時間帯を経て、完全に割り切った。クロアチアにボールを持たせてもいいから、自陣ゴール前でブロックをつくり、カウンターを狙うやり方にシフトした。陸上選手と見間違えるようなエムバペの驚異的なスピードがあるからこそ、ボールを奪った瞬間、一気に形勢を逆転できる。その信頼感があるから、後ろの選手は気持ちを切らすことなく、守りに専念できる。試合を決めた後半14分の3点目。ポグバが大きく蹴り出したパスに、エムバペが反応したところが起点となった。

 1次リーグ初戦の豪州戦を見ていたときは正直、優勝は難しいかなと思った。エムバペとグリーズマンデンベレを並べた前線のバランスが悪いと感じたからだ。

ログイン前の続き 驚かされたのは、デシャン監督の対応の早さ。試合のさなかにデンベレを下げ、エムバペを中心に据えた。これを大会の最後まで貫いた。献身的なプレーができるマチュイディやジルーを組み合わせるなど、チームバランスの最適解を初戦で見極めていた気がする。

 クロアチアには、たらればだが、いいコンディションで戦ってもらいたかった。3試合連続で延長を戦ってきた疲れは隠しきれず、いいときに比べると、パスの狙いなど攻撃が少しずつずれていた。3、4失点目の場面も、普段なら足が伸びて防げていたように見えた。

 それでも、初の決勝進出。大会を通して感じたのは、「国の厚み」だ。モドリッチラキティッチら主力は欧州のビッグクラブでも中心選手として活躍している。どんな相手にも位負けしない、十分にやれるんだという気持ちを選手たちが持っていることが、大きい。

 大会の最優秀選手に選ばれたモドリッチは、とにかくミスが少なく賢い選手。ゲームの流れを見ながら、相手の嫌がることを常に考え、プレーで実践している。彼が最優秀選手になったことの意義は、考える力と技術力があれば世界で戦えるということ。そして、それが評価されたこと。足が特別速くない、体が小さいと悩んでいる子供たちを勇気づける受賞だ。

 所属するレアル・マドリードでは黒衣的な役回りの選手。それが代表では主将として先頭にたち、プレーに気迫が満ちあふれていた。32歳。年齢的に次の大会が難しいという思いも、後押ししていたのだろう。

 大会全体を通して見えたのは、チームが柔軟性を持つことの大切さ。自分たちのスタイルにこだわるあまり、勝ちきれなかったスペインドイツの姿がそれを象徴している。優勝したフランスは、これまでの伝統であったボールを保持する戦い方も持ちつつ、状況に応じて堅守速攻を使い分けていた。国として一貫して掲げるスタイルを持つと同時に、選手の個性を最大限生かせるようなチームづくりをしていかないと、これからの世界では戦っていけないだろう。

 今大会に限らず、今の時代、スピードやバネがあり、パワフルなアスリート色の強い選手たちが、球際で激しく戦うだけでなく、献身的にハードワークもこなす流れが加速している。ボールの扱いがうまいだけでは、もはや生き残れない。ボール扱いがうまくかつ、走れる、戦える選手が重宝される時代になってきた印象だ。

 最後に少し、日本代表にも触れておきたい。開幕2カ月前での監督交代にもかかわらず、2大会ぶりの16強入りを果たした。結果が出たからといって、これで良かったと済ませてはいけない。今大会をしっかりと検証して、国として次の4年に向けてどう強化していくのか。その方針をはっきりと打ち出し、検証を元に監督を選び、日本独自の戦い方を追い求める4年間にできれば、と思う。それに値するだけの戦いを、今回の日本代表は残してくれた。

朝日新聞より引用