朝日新聞の購読申込ページ 「心理テストで見極め、備えたPK戦 」
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サッカーの「母国」イングランドに長年まとわりつくPK戦の呪い。そのトラウマとこの22年、誰よりも向き合ってきたのが指揮を執るサウスゲート監督だ。
「PKは運が左右するものではない。重圧の中、どう技術を発揮できるか」
強い信念の背景には、自身の苦すぎる記憶がある。
1996年の欧州選手権。PK戦にもつれた準決勝のドイツ戦で、6人目のキッカーで登場した。勢いのないシュートはGKに防がれ、敗戦の責任を背負い込んだ。25歳の夏だった。監督に「6人目までもつれたらけってくれるか?」と打診されたのはPK戦直前。頼まれたら断らないのが信条だ。一方、自分には回らず、普通に5人で決着するだろうと言い聞かせてもいたという。突き詰めれば覚悟がなかったのだ。
自国の「聖地」ウェンブリー競技場での失態だった。それ以降、イングランドはワールドカップ(W杯)で98年と2006年、欧州選手権は04年、12年とPK戦で敗退した。ジンクスは破れないままだった。
勝てば英雄視する一方、失敗すれば容赦なく「戦犯」の汚名を着せる英メディアの習性は身に染みている。代表監督としてW杯に臨む上で、同じ過ちを選手に繰り返させたくない。
英メディアによると、ロシアに旅立つ前、代表選手に心理テストを実施した。PKの適性を見極め、ける順番を決めた。過去のPK戦でイングランドの選手は他チームより、けるまでに急ぎすぎるデータを発見。本番を想定してセンターサークルから歩く練習を愚直に繰り返したという。
迎えたコロンビア戦は後半終了間際に追いつかれ、運命に引き寄せられるようにPK戦へ。イングランドは3人目のヘンダーソンが相手GKの美技に阻まれた。しかし、コロンビアの4人目が失敗。5人目のシュートをGKピックフォードが左手で止めた。コロンビアは5人中4人が事前の研究データ通りの方向にけってきた。最後はダイアーがけりこみ、赤いユニホームの歓喜の輪ができた。成功した4人の平均年齢は23・75歳。全員がW杯初参戦だ。
サウスゲート監督は「私の失敗は生涯消えないが、今日はこのチームにとって特別な瞬間だ。後に続く世代の自信につながる」。呪いを解いた若き代表のロシアでの挑戦は、まだ続く。
朝日新聞より引用