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朝日新聞の購読申込ページ  「子ども食堂、貧困自体の解決策にはならず」

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 朝日新聞の朝刊紙面より「後藤広史さん(日本大学准教授)

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 子どもの貧困に対する支援の手立ては、行政による生活保護のような金銭給付や個別の相談援助などに限られていました。

そこへ、子ども食堂という新しい民間の動きが出てきたことは、歓迎しています。地域の大人が子どもを見守り、子どもにとって親以外との関係を育む土壌が生まれるのなら、とてもいいことです。

 生活に困窮する人たちは、地域とのつながりが途切れがちです。子ども食堂は、移動しなくても生きていけるだけのつながりをつくり出す可能性も秘めていると思います。

 でも、この取り組みをめぐる社会の動きには、気がかりな点がいくつかあります。

 まず、貧困問題が分断されて語られる点です。「子どもの貧困」「下流老人」などの言葉で、共感が集まりやすい特定の世代や人たちに焦点があたり、対策につながる。悪いことではありませんが、「大人の貧困」をみてきた立場としては、貧困の全体像をとらえようという視点が、弱まっているように思えます。

 子どもは自己責任を問われない存在です。大人のホームレスも、子どもの貧困から続く要因が絡み合っていることもある。なのに、貧困が共感度の高さで序列をつけられてしまい、「大人の場合は自己責任」という考えが強まらないか、懸念します。

ログイン前の続き 子ども食堂にもいろいろなかたちがあるようです。ブームに乗る形で、自治体が一律に「貧困対策」として補助金を出すことには疑問を感じます。むしろ、保育サービスを拡充させた方が効果的かもしれません。行政は長期的な視点にたち、支援の効果を検証する責任があります。地域とのつながりの継続を意識して、住まいなどへの公的支援も必要でしょう。

 根本的に貧困を解決しようとすれば、社会構造の問題に行きつきます。食堂がはやるほど、構造的な問題がたなざらしになる恐れは高まる。

 食堂で育った子どもが大人になったとき、失敗してもやり直せる社会になっているでしょうか。根本にメスを入れなければ、結局、「大人になったら自分で頑張って」と放り出されてしまうだけです。

 私たちの意識も変えていく必要があります。食堂がブームになる背景には、「手づくりの食事を、みんなで食べるのがいいこと。家族はそうあるべきだ」という価値観があります。ひとり親にとって、仕事のかけ持ちなどで子どもとかかわる時間がもてない、「時間の貧困」は大きな問題です。

 食堂に子どもを行かせ、一緒に食事できないことを心苦しく思う親たちを、精神的に苦しめかねません。「子どもは地域で育てるもの」という価値観を、社会全体で持てるかが問われています。

朝日新聞から引用