朝日新聞の購読申込ページ 「１０カ月入ってた。弱ってる 籠池被告 」

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朝日新聞の朝刊紙面より「記者会見詳報」

詐欺などの罪で起訴された学校法人森友学園（大阪市）の前理事長籠池泰典（やすのり）被告と妻諄子（じゅんこ）被告が２５日、大阪拘置所から保釈され、大阪市内で会見に臨んだ。会見はまず、泰典被告のコメントから始まった。主な内容は以下の通り。

拘置所に）１０カ月入っておりましたので、非常に体力も弱っております。

　まず財務省の問題で勾留され、これは「国策勾留」であると認識しております。家内につきましては全くの冤罪（えんざい）でありまして、まさに人権蹂躙（じゅうりん）の状況で長く勾留されておったというふうに認識いたします。

　もう一つ、大阪府の告訴は検察と相談し、示し合わせたものではなかろうかと思っております。

　国会における証人喚問について、しっかりと私は答えましたので、私の方では虚言はございません。

　小学校の建設については、決してあきらめてはおりません。吉田松陰先生の志を持って、進ませて頂こうと思っております。

　現時点では、私ども夫婦が訴追されている案件は、公判の準備中であることから、詳細をお話しすることは控えたいと存じます。

　国会では、国有地売買の経緯、小学校設置認可の経緯などをめぐって、激しい論争が続いておるようでありますが、社会から隔絶され、情報が遮断された状態で過ごしておりましたので、現在の状況を把握しかねております。本日の時点では、具体的なコメントは差し控えさしていただきたいと考えております。

　　　　　◇

　籠池夫妻の会見での主な一問一答は以下の通り。

　――約３００日の勾留。保釈された今の気持ちは

　泰典被告　ようやく拘置所から出してもらったという感じがあります。長いな。これから活躍させてもらわないかんなと思っています。

　諄子被告　どんな艱難（かんなん）も自分を磨いてくれると思って感謝しております。

　――安倍晋三首相は否定しているが、土地取引に関し、妻の昭恵氏の影響はあったか

　泰典被告　証人喚問でお話しさせて頂いたことは、全く虚偽を言っておりません。

　――諄子被告は冤罪（えんざい）と言うのは

　泰典被告　（郵便不正事件で逮捕されたが、無罪が確定した元厚生労働事務次官の）村木厚子さんと全く同じような状況や思います。家内までわざわざ引っ張り上げて、こういう拘置所にぶち込んだことは、この民主主義国家の日本にとって考えられない。もう封建主義の世の中と思う。

　――文書を書き換えた職員は不起訴という報道もある

　泰典被告　国民の財産でしょう、交渉文書は。書きかえることは、国民のいわゆるサーバントであるところの国家公務員がすべきことではない。国民に対する背信です。

　――職員は罪に問えないとなったら、どう思う

　泰典被告　それは、神風が吹いてないということですね。神風が吹いてない。

　――安倍首相に伝えたいことは

　泰典被告　しっかり本当のことを対応されるのが一番よろしいかと。為政者というものはしっかり本当のことを、正々堂々と伝達・報告するべきものじゃなかろうかと思う。

　諄子被告　私の申すことではないので、主人の言う通りです。

　――１０カ月ぶりに会ったお互いの印象は

　泰典被告　あはっ、いやそれは、もううれしかったですよ、ほんとに。私たちは相思相愛ですから。（諄子被告に）相思相愛でよかったかな？　十月（とつき）ぶりに会いまして、ああ、よかったなと思います。生きててよかったなあと。実際、この人と一緒に結婚させてもらっても良かったし、一緒に人生歩ましてもらってよかったな。また今日から一緒に人生歩ませてもらえるかなと思っています。

　諄子被告　（涙声で）お父さんと結婚してよかったです。わたし幸せです。

　――昭恵氏に言いたいことは

　泰典被告　本当のことをしっかりと伝えて頂いたらいいんじゃないかなと思っております。

　――昭恵氏から寄付されたという１００万円は返しに行く？

　泰典被告　もう返しに行かせて頂いて受け取って頂いておりませんので、それはもうそのままさして頂こうと思います。

　――受け取ったという主張は取り下げない？

　泰典被告　それは、もちろんですよ。頂いたものですからね。

朝日新聞より引用